整体の効果を維持させる方法
整体では、様々な手技を用いて、骨や関節の歪み、凝り固まった筋を緩め、神経や血管・リンパの流れを促し、自己治癒力を高めていくものと考えています。
整体を受けた直後に、身体がスッキリしたり、不調の変化を感じた方も多くいらっしゃいます。
またその日は変化がなかったが、数日経過して感じる方もいらっしゃいます。
反対に、数日は良かったけど、その後にまた不調を感じるようになったとおっしゃる方もいらっしゃいます。
1回の施術で変化を出し、完全に不調を取り去ることができれば、
言うことはなく施術する側もうれしいですが、長年かけて出てきた症状はそう簡単にはなくならないことがほとんどです。
今ある不調の原因はひとつではなく、様々な要因によってたまたま症状として表に出てきているだけなので、玉ねぎの皮をむくように、1つ1つの要因を丁寧にみていくことが重要です。
そのような状況においても、自分自身で自己治癒力を高めていくために出来ることも多くあります。
その方法をご紹介致します。
水分の摂取は足りていますか?
身体の約60%は水分でできています。
(成人男性60%、成人女性55%、高齢者50~55%)
水分の役割には以下のようなことがあります。
・細胞に酸素や栄養素を運ぶ
・不要になった二酸化炭素や老廃物を運ぶ
・体温を一定に保つ
・ホルモンを運んで効果を発揮させる
・細胞を正しく働かせる など
そのため水分不足になると以下のようなことが起こりやすくなります。
・栄養素の代謝効率が低下→エネルギー不足になる
・細胞の掃除ができなくなる→新しい細胞の置き換え能低下
・筋、神経の出力低下、神経伝達能力の低下
・腸内環境が悪化し体内毒素の増加→肝臓など免疫機能の負担が増加
・筋肉が干からびて身体の柔軟性の低下 など
1日の水分摂取量はどれくらいが必要なのか?
1日の水分の排出量は以下の通りです。
呼気:400ml 汗:600ml 尿便:1000~1500ml 合計2500ml
普段の生活や仕事など過ごし方や体質によって異なりますが、平均的にこれくらいの量が排出されます。
では、どれくらい摂取することが望ましいとされているのか?
排出された量が2500mlとすると、
・3食の食事:800ml ・脂肪の分解代謝:300ml ・水分摂取量:1500ml
コップ1杯200mlとすると、7~8杯くらいが理想量となります。
今まで水分摂取をあまり意識してこなかった方にとっては、いきなり量を増やすことは難しいかもしれません。
一度に多くの水を飲むわけではなく、1日に数回にわけて飲めればいいので、
少しずつ増やしていけるといいと思います。
ただし、腎臓の機能障害や心疾患のある方など、病院で医師から水分摂取量を制限されている方は、その指導を守ることが重要です。
腸内環境を整える
食べたものは胃や腸で消化され、栄養として体内に吸収されます。
そのため、いくら良い栄養素をとっていても、腸の調子が悪いと消化不良を起こしたり、
十分に栄養を吸収できなくなることが考えられます。
また腸は、消化したものをすべて吸収するわけではなく、毒素など身体の中には吸収しない方が
良い物は便として排出する機能もあります。
しかし、腸の機能が低下するとその選別する機能が低下し毒素も一緒に吸収してしまうようになります。
「リーキーガット症候群」と呼ばれ、様々な症状の根底にあるものとも考えることができます。
そのため、腸の環境を整えることは様々な不調の解消につながる重要な点であると考えられます。
当院に来られる方の中にも便秘や下痢が続いている方、もしくはお腹が張っている方が多くおられます。お腹が硬くポッコリ出ている方などは、物理的に腰や骨盤の骨に負担をかけることにもつながります。
施術の中には、そういった内臓周辺の組織に対するアプローチもありますが、
生活習慣から気を付けていくこともできます。
小麦粉の摂取を控える
小麦に含まれるグルテンという物質は、胃で分解されにくい構造をしています。
そのため、パンやパスタを食べると、グルテンが未消化のまま腸に届きます。
これは「グルテン不耐症」と呼ばれ、健康な人でも起こりうります。
グルテンは腸内でゾヌリンというタンパク質を作り、腸内のバリアを壊してしまいます。
そうなると炎症物質などは腸の中を通り身体の中に吸収されてしまいます。
小麦を食べることが多い方は注意が必要です。
牛乳などの乳製品の摂取を控える
牛乳に含まれる「αカゼイン」という物質は人間の消化酵素では消化されにくく、
特に日本人の多くが消化酵素を持っていません。
未消化のαカゼインは腸のリーキーガットを引き起こしアレルギーの原因になることも明らかになっています。