耳鳴りと姿勢の関係について
耳鳴りと聞くと「耳の中の問題」と思われがちですが、実は身体全体の姿勢やバランスとも深く関係しています。特に、立ち方や座り方に左右差があり、片方に重心が偏っている場合には、耳鳴りの原因や悪化要因になることがあります。
1. 首や頭の位置のずれ
片方に傾いた姿勢や首のねじれは、頭の骨(後頭骨や側頭骨)の動きを制限し、内耳周辺の血流やリンパの流れに影響を与えます。耳の奥には音を感じる蝸牛や、バランスをとる三半規管がありますが、その周囲の循環が滞ると耳鳴りやめまいが起こりやすくなります。
2. 顎関節(あご)の緊張
片側だけで噛む癖や、食いしばりの習慣があると、顎関節が片寄って緊張します。顎関節は耳のすぐ近くに位置しており、神経や血管を通じて耳鳴りに影響を与えることが知られています。
「耳の奥が詰まった感じがする」「片方の耳だけ響くように鳴る」といった訴えは、この顎の影響が関わっている場合があります。
3. 血流やリンパの流れの悪化
姿勢が片寄ると、首や肩まわりの筋肉が硬くなり、耳周囲の血流やリンパの流れが滞ります。
特に耳の内圧を調整するためのリンパ液や血液の循環が乱れると、耳鳴りや耳閉感の一因になります。これは「同じ姿勢で長時間過ごすと耳鳴りが強くなる」という方に当てはまることが多いです。
4. 自律神経の乱れ
首や肩の緊張は、自律神経の働きに直結します。特に耳は交感神経の影響を受けやすく、緊張が続くと耳の感覚が過敏になり、耳鳴りを強く感じやすくなります。逆にリラックスして血流が良くなると、耳鳴りが軽減することが多いのはこのためです。
5. 下肢、骨盤や体幹からの影響
「姿勢の片寄り」と聞くと首や肩を思い浮かべがちですが、実は土台である骨盤のゆがみや片足重心なども大きな要因です。骨盤のゆがみは背骨全体のねじれにつながり、最終的に頭や耳の位置関係に影響を及ぼします。そのため「骨盤の調整をしたら耳鳴りが楽になった」というケースも少なくありません。また、過去に足の怪我をしていたり、捻挫の癖があると無意識に体重をかけないように姿勢をとっているケースもあります。足からの影響もみていかなければなりません。
当院での取り組み
むぎわら整体岡崎店では、耳鳴りの原因を「耳だけ」ではなく、姿勢・首・顎・血流・自律神経といった全体のつながりから考えています。具体的には、
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過去の怪我の情報や手術の情報も含めて全身の姿勢を評価し、姿勢の偏りをみます
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首の骨(特に頚椎1番・2番)や頭の骨(側頭骨・後頭骨など)の動きをみます
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顎関節や咀嚼筋の偏りをみます
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肩・胸郭まわりの筋緊張をゆるめ、循環を改善
といったアプローチを行います。
まとめ
耳鳴りは「耳の不調」と思われやすいですが、実際には体全体のバランスや姿勢の影響を強く受けています。特に、片方に片寄った姿勢や首・顎の緊張があると耳鳴りが悪化することが多いのです。当院では、耳だけでなく全身の状態を確認しながら施術を行い、少しでも快適な生活を取り戻せるようお手伝いしています。
耳鳴りでお悩みの方は、まずはご自身の姿勢や普段の身体の使い方を見直すことが改善の第一歩になります。お気軽にご相談ください。